鯛車とは

鯛車の歴史

越後 巻地区に伝わる「鯛車」

越後 巻地区(新潟市西蒲区)では、お盆の夕暮れ時になると、浴衣姿の子どもたちがいくつもの鯛車にあかりを灯し、町内を引いて回った。その情景は、やがて収穫の秋に入ろうとする晩夏の風物詩であった。江戸末期から昭和の中ごろまで盛んに行われてきたこの風習は、時代の変遷と共に、いつしか巻地区から姿を消していった。
元来、日本人は美しい自然の中で、四季折々の伝統行事を受け継ぎながらの暮らしを続けてきた。その生活は、現代の追いまくられるような、ゆとりのない生活にくらべ、豊かさを感じさせるものであった。
 そのころは確かに貧しくはあったが、海は青く澄み、野山は緑にあふれ、まちは活気にみち、心豊かな生活を送る人々がいた。それは、現代の多くの日本人が心のどこかに求めている懐かしい日本であった。豊かすぎる現代に、なにかしら反省を迫る日本であった。そこには忘れられた日本が、そして、忘れることのできない日本がある。